Intraoperative Indocyanine Green Fluorography is Useful in Evaluating the Blood Flow of Remnant Stomach in Distal Pancreatectomy Post Distal Gastrectomy

Abstract
幽門側胃切除後の膵体尾部切除・脾摘術において,残胃温存の可否に関していまだ結論は出ていない.近年,術中indocyanine green(以下,ICGと略記)蛍光造影が臓器血流評価に有用とする報告が増えている.今回,我々は幽門側胃切除既往症例の膵体尾部切除・脾摘術において,術中ICG蛍光造影による残胃血流評価を行った後に,残胃を温存した症例を経験したので報告する.症例は59歳の男性で,25歳時に胃潰瘍に対して幽門側胃切除を施行された.心窩部痛を契機に膵体部癌を指摘された.術前画像診断では左右胃動静脈と右胃大網動静脈は前回手術時に切離されていると思われた.左胃大網動静脈,短胃動静脈,脾動静脈を切離した後のICG蛍光造影にて,食道側や小網側から残胃血流が維持されていることを確認し,残胃を温存した.術後軽度の膵液瘻を認めたものの,11病日に軽快退院した.