The Mechanism of Thrombi Formation, Propagation and Embolization of Calf–type Deep Vein Thrombosis Resulting in Massive Pulmonary Thromboembolism

Abstract
肺血怜塞栓症(PTE)を合併した下腿刑深部静脈血栓症(DVT)60例を病理形態学的に検討した.DVTの左右差は新鮮血栓では両肢性:片肢性が43:17例,器質化血栓を含めると55例が両肢型DVTであった.下肢静脈のDVT検出率は腸骨静脈4%,大腿静脈20%,膝嵩静脈55%,後胚骨静脈62%,排骨静脈73%,ピラメ静脈(SV)93%,前胚骨静脈28%,排腹静脈39%であり,SVの血栓検出率が最も高く,SVの還流路に沿って検出率が徐々に低下する関係がみられた.症例の血栓分布をSV還流路,非還流路のド腿静脈,中枢部静脈に分け血栓の連続性を検討したところ,SV還流路から血栓が発生して中枢部静脈を閉塞したのち,非還流路の下腿静脈に二次性に血栓が発生し,中枢部静脈の血栓が寒栓化する経過が推察された.Acute on chronic PTEの寒栓源の初期病変として,SVおよび還流路の静脈の血栓が重要である.