Hortaea werneckii isolated from house dust.

Abstract
静岡県浜松市在住の1家庭のハウス・ダストから黒色酵母様真菌を分離し,形態学的,生理学的性状についてHortaea werneckiiのネオタイプから由来したカルチャーおよび黒癬患者分離株など15株と比較検討した結果,黒癬の原因菌であるH.werneckiiと同定した.本分離菌株は,各種寒天培地上で光沢のある黒色酵母様集落を形成し,褐色,楕円形,紡錘形,ピーナッツ形,1-2細胞性の分生子と多数の隔壁をもつ幅の不規則な太い菌糸からなっていた.2細胞性分生子の両端と菌糸側壁には不規則にフリル様構造をもつ小突起が見られ,分生子を形成していた.また,本分離株および対照株はスキム・ミルク水解性,耐塩性,好稠性を示した.今回の分離によりH.werneckiiが居住環境にも存在すること,九州以北においてもその感染が発生する可能性が示された.