Neoplastic aneurysms in areas with metastatic pancreatic choriocarcinoma during chemotherapy

Abstract
症例40代,女性.不正性器出血を主訴に受診.婦人科領域に腫瘍や妊娠所見は認めず,造影CTにて膵,肺,肝および腰椎に多発腫瘍を認めた.膵腫瘍は造影早期相で低吸収,平衡相で淡く造影される海綿構造様腫瘍で,内部に結節性の強い濃染を伴うものも散在した.腰椎病変組織より絨毛癌多臓器転移と診断し,EMA/CO療法を開始した.経過中,腫瘍内結節性濃染部に一致して腫瘍性膵動脈瘤が形成され,コイル塞栓術を施行し化学療法を継続した.EMA/CO療法継続にて血中hCGは感度以下となり,膵および多臓器病変と膵動脈瘤も消失し完全寛解が得られた.絨毛癌の膵転移は稀ではあるが腫瘍性動脈瘤を形成することがある.造影CT/MRI早期相において,絨毛癌膵転移病変内に強い造影効果を伴う領域を認めた場合には膵動脈瘤の萌芽を念頭に置き,膵動脈瘤形成時には処置適応を検討しつつ積極的に化学療法を導入,継続すべきと考えられた.