Development of a Novel Soluble Dietary Fiber, Isomaltodextrin: Creating Unique Materials by Unique Enzymes

Abstract
食物繊維は,生活習慣病の予防に重要な役割を果たす栄養素として知られているが,推奨される量を摂取することは容易ではなく,慢性的な食物繊維不足となっている(1, 2).われわれは微生物酵素の高度利用を目指し,特に澱粉から高付加価値糖質の生産を目的に糖質関連酵素の探索を行ってきた.その過程で多分岐α-グルカンの一種であるイソマルトデキストリン(IMD)を生成する新しい酵素系を見いだし,それを利用したIMDの工業生産に成功した.IMDは,新しい水溶性食物繊維の一種であり,さまざまな食品に無理なく配合できるため,上述のような慢性的な食物繊維不足を簡単に補うことができる.本稿では,IMDの生成にかかわる酵素の発見からその生理機能および水溶性食物繊維の新たな選択肢としての利用例について解説する.