The Distribution of Vanadium and Nickel Deposits inside the Desulfurization Catalysts

Abstract
重油の水素化脱硫に使用したコバルト・ モリブデン・アルミナ触媒について,そこへ沈積したバナジウムおよびニッケルの分布状態を調べるため,触媒の粒子に対してX線マイクロアナライザー法を適用した。 その結果,バナジウムは粒子の表面近傍に片寄って沈積するが,ニッケルは表面も内部もむしろ同等に沈積することが認められた。しかも,このような沈積分布状態は50時間反応の触媒も1000時間反応のものも同様であった。そこで,反応中の金属沈積過程に対して,簡単なモデルを設定しその理由を考察した。定性的な考察によれば,重油中のバナジウム化合物は拡散が遅く反応性に富むが,ニッケル化合物はその逆であるとして実験結果を説明することができる。