Acute Hemorrhagic Cholecystitis Caused by Gallbladder Metastasis of Primary Hepatocellular Carcinoma—A Case Report—

Abstract
症例は78歳,男性.門脈および下大静脈への浸潤・腫瘍栓と多発リンパ節転移を伴う肝細胞癌に対し,ソラフェニブ投与にて加療中であった.2日前からの食欲低下,背部痛を主訴に受診し,出血性胆嚢炎と診断して緊急腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.摘出した胆嚢の頸部には内腔に突出する腫瘤があり,これにより閉塞・炎症・出血をきたしたものと思われた.また,抗血小板剤を内服中であり,出血を助長した可能性が考えられた.胆嚢腫瘤は病理検査にて肝細胞癌の転移であることが判明した.術後は順調に回復し,肝細胞癌の治療を早期に再開しえた.肝細胞癌の胆嚢転移は頻度の高い病態ではないが,さらに出血性胆嚢炎を合併して緊急の対応を要する稀な症例を経験した.