Acute Demyelinating Polyneuropathy Occurring Four Days After Nivolumab Administration in a Patient with Lung Adenocarcinoma

Abstract
背景.免疫チェックポイント阻害剤は非小細胞肺癌などの複数の癌に使用されているが,時に末梢神経障害を含め様々な免疫関連有害事象を引き起こす.免疫チェックポイント阻害剤投与後の末梢神経障害発症までの時間は,5日~5か月と症例によりばらつきが大きい.今回我々は,ニボルマブ投与4日後にギランバレー症候群様の急性脱髄性多発神経障害を発症した肺腺癌患者を報告する.症例.77歳,男性.IV期肺腺癌に対してニボルマブを開始し,4日後より四肢に対称性,下肢優位の運動感覚障害が出現し,歩行不能となった.末梢神経伝導検査より急性脱髄性多発神経障害と診断し,免疫グロブリン療法,メチルプレドニゾロンパルス療法を併用し,運動感覚障害は改善した.結論.これまでの免疫チェックポイント阻害剤投与後の末梢神経障害の報告と比べ,本例の末梢神経障害発症までの期間は最も短かった.急性脱髄性多発神経障害は,ニボルマブ投与1週以内に生じ得る免疫関連有害事象として留意する必要がある.