Relationship Between Positive Affect, Psychological Competitive Ability and Psychological Stressors Among University Student-Swimmers

Abstract
本研究の目的は,大学生競泳選手のポジティブ感情と心理的競技能力,日常・競技 ストレッサーの自覚との関係性を明らかにすること,そして,選手の心理的特性を分類し,各指標に基づいた特徴を明らかにすることである。全日本学生選手権出場レベルの男子大 学生競泳選手50名を対象に,日本版主観的幸福感尺度(SHS),心理的競技能力診断検査 (DIPCA.3),大学生アスリートの日常・競技ストレッサー尺度を分析した。その結果,SHS とDIPCA.3との間に有意な正の相関が認められ,SHS とストレッサー尺度との間 に有意な負の相関が認められた。さらに,心理的特性を捉えるために,DIPCA.3の標準化得点を用いてクラスター分析を行った。3つのクラスター(CL1:心理的コンディション良好群;CL2:協調性低群;CL3:競技意欲低群)に分類し,その特徴を分析した結果,CL1はSHS 得点,DIPCA.3得点ともに最も高く,ストレッサー尺度得点は低かった。CL2はSHS 得点は最も低く,DIPCA.3得点は2番目に高く,ストレッサー尺度得点は最も高かった。CL3はSHS 得点は2番目に高く,DIPCA.3得点は最も低く,ストレッサー尺度得点は低かった。以上の結果から,ポジティブ感情が高い選手は心理的競技能力も高く,ストレッサー自覚は低いことが認められた。さらに,ポジティブ感情と心理的競技能力との関係には心理特性から類推されるパーソナリティなどの要因が関連していることが推察された。