An 83 year-old male with a solid pseudopapillary neoplasm of the pancreas

Abstract
症例は83歳の男性.血清アミラーゼ値の上昇を認めたため,腹部造影CTを施行した.膵鈎部に40mm大の内部不均一な造影効果を伴う腫瘤性病変を認めEUS-FNAでsolid pseudopapillary neoplasm(SPN)が強く疑われたが鑑別診断として腺房細胞腫瘍の可能性も考慮し,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術ならびに領域リンパ節郭清を施行した.切除標本の肉眼所見としては境界やや不明瞭で内部に出血,嚢胞性変化や壊死を伴っていた.病理組織学的に腫瘍細胞の偽乳頭状所見,充実性増殖所見を認めた.免疫組織学的にβ-catenin,vimentinは陽性,chromograninは陰性であった.以上よりSPNと最終診断した.現在術後2年を経過し,無再発生存中である.男性SPNは稀であり,また80歳を超える高齢男性に認めた報告はない.文献上記録すべき症例として報告する.