Surgical Management of a Residual Shunt after Extended Sandwich Repair via a Right Ventricular Incision for Posterior Ventricular Septal Perforation

Abstract
急性心筋梗塞後に発症する心室中隔穿孔(VSP)は重篤な合併症であり,特に後壁VSPは予後不良である.今回われわれは,後壁VSP修復術後,急性期に遺残短絡が出現・増悪し再修復術を要した症例に対し,アプローチ法を工夫し良好な結果を得たため,文献的考察を含めて報告する.症例は55歳男性.急性心筋梗塞に対する血行再建翌日に後壁VSPと診断され当院へ搬送された.同日緊急で右室切開による拡大サンドイッチ法にて修復術を行った.術直後は遺残短絡を認めなかったが術後4日目から遺残短絡が出現,徐々に増悪し心不全コントロールが困難となったため術後16日目に再手術を行った.再手術は左室側パッチと心室中隔の間に入る形で左室切開をおき視野を展開,左室側パッチを全周性に補強することで修復可能であった.再手術後遺残短絡は認めず,術後17日で軽快退院となった.今回行った左室側パッチと中隔の間に切り込む左室切開は,右室切開による拡大サンドイッチ法でのVSP修復術後遺残短絡に対し有用なアプローチであると考えられた.