Laparoscopic Ileus Operation for Strangulated Bowel Obstruction with Chylous Ascites—A Case Report—

Abstract
症例は53歳,男性.6カ月前に胃癌に対して腹腔鏡下噴門側胃切除術を行った.4日前より持続する心窩部痛,嘔気を主訴に当院救急外来を受診した.腹部造影CTでwhirl signを伴う造影効果不良の拡張した小腸を認めた.絞扼性イレウスの診断となり,緊急で腹腔鏡下イレウス解除術を施行した.腹腔内全体に白濁した乳糜様腹水の貯留を認めた.小腸間膜根部と小腸が癒着し形成された小孔に小腸が捻転しながら嵌頓しており,小腸軸捻転,内ヘルニア嵌頓と診断した.嵌頓した小腸の腸間膜は浮腫状でリンパ管が著明に拡張しており,表面は乳白色であった.癒着を剥離し,絞扼を解除すると腸管色調は速やかに改善したため,腸管切除は行わなかった.術後経過は良好で術後10病目に退院となった.