Abstract
本研究では,わが国における特別支援教育にかかわる教育心理学研究の動向を概観した。はじめに,特別支援教育や教育心理学に関連する主要な学術雑誌を「障害に直接関連しない学術雑誌」と「障害に直接関連する学術雑誌」に大きく分け,それごとに,最近(2017年1月から2020年9月)における「障害に関連する研究」についての数量とその内容からの整理・分析を行った。さらに,自閉スペクトラム症児における介入研究の動向と介入研究が学校教育に貢献できるための方略について文献検討を行った。主として,(1)モノとヒトの環境を最適化していくための1つとしてのエビデンスに基づく実践という捉え方,(2)エビデンスに基づく実践を環境に組み入れる意義,(3)エビデンスを学校教育の実践につないでいくための方向性,また,(4)今後の学校教育に求められるエビデンス,といった4点の視点から論考した。

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