Short-term Outcomes of 40 Cases of External Auditory Canal Squamous Cell Carcinomas Treated at a Single Institution

Abstract
外耳道癌は100万人に一人の発症率とされるまれな腫瘍で扁平上皮癌が多くを占め, その治療プロトコルは施設によって異なる. 当施設で2015年7月~2019年4月の間に一次治療を行った外耳道扁平上皮癌症例を対象に, 手術治療の予後規定因子ならびに CRT との比較を行った. 初回手術群 (n=27) と TPF-RT 群 (n=6) ではそれぞれ2年全生存期間 (OS) は87.4%, 83.3%, 2年疾患特異的生存率 (DSS) は91.0% と83.3%, 2年無病生存期間 (DFS) が81.1%, 66.7% であった. 初回手術群における予後規定因子 (DFS) として術式, 年齢, 性別, T (ピッツバーグ分類) /N 分類, 病期, 術後病理 (切除断端, 脈管侵襲), 術後補助療法を検討したところ, 切除断端陽性例で予後不良であった. T4 症例で初回手術群 (n=5) と TPF-RT 群 (n=4) を比較したが, 2年 OS はともに75.0%, 2年 DFS は60.0% と 50.0% で有意差は認めなかった. Stage IV 症例で初回手術群 (n=11) と TPF-RT 群 (n=5) を比較すると, 2年 OS はともに80.0%, 2年 DFS は71.6% と60.0% でやはり有意差を認めなかった. 適切な術式選択により進行例でも手術治療により良好な予後が期待できる可能性はあるが, 術後 QOL を考慮すると TPF-RT も有用と考えられ, 現時点では症例ごとの検討が必要である.