A Case of Langerhans Cell Histiocytosis Coincident with Severe External Ear Canal Inflammation

Abstract
ランゲルハンス細胞組織球症 (Langerhans cell histiocytosis: LCH) は異常なランゲルハンス細胞が増殖する非常にまれな疾患である1). 今回われわれは1年前からの両難治性外耳道炎にて受診したLCHの症例を経験したので報告する. 本症例は, CT所見にて左側頭骨に骨破壊を伴う軟部組織陰影を認めた. 一方, 入院時の胸部単純X線で両肺野に多発網状陰影を認めたため経気管支肺生検を施行したところ, 病理組織所見でCD1a抗原陽性でありLCHと診断した. また他臓器の検索を行った結果, 骨, 皮膚, 肺, 下垂体, 甲状腺, リンパ節に病変を有するLCH多臓器多病変型と診断し, 治療目的で他院血液内科へ紹介となった. LCHはまれな疾患であるが難治性外耳道炎で画像所見にて骨破壊を認めた場合にはLCHも念頭に置く必要があると思われた.