Abstract
カットフルーツの主原料であるパイナップルの加工過程で発生する外皮や芯を圧搾・脱水した物の栄養価および粗飼料因子,通過速度および給与したヤギのルーメンや血液の性状,酸化ストレスマーカーに及ぼす影響を評価した.去勢ヤギ4頭に基礎飼料としてヘイキューブを,試験飼料として基礎飼料の30%(乾物)を脱水パイナップル残渣に置換したものを給与し,全糞採取法による消化試験を行った.脱水パイナップル残渣のNDFは乾物中割合:60%以上,消化率:約80%とどちらも高く,TDN含量は73.4%となった.粗飼料因子は試験飼料で有意に高かった.一方,脱水パイナップル残渣給与により,ルーメン内で乳酸の検出とプロピオン酸割合の低下が認められた.脱水パイナップル残渣は良質な粗飼料として期待できる半面,ルーメンアシドーシスのリスクが懸念され,多給する場合には充分に飼料の馴致期間を設ける必要があると考えられる.