Japanese Translation of Villalta SCale and EVALUATION of Post-thrombotic Syndrome

Abstract
血栓後症候群(post-thrombotic syndrome; PTS)は深部静脈血栓症後に発症する重要な慢性期合併症である.これまで幾つかのPTSの診断,重症度分類スケールが報告され,それらの信頼度は評価されてきている.これらの中で,現在最も広く受け入れられておりゴールドスタンダードに近いものとされているのがVillaltaスケールである.Ginsbergスコアなどと比較し,Villaltaスケールはその簡便性,他の評価スケールとの高い相関,高い評価者間信頼度により,すでに多くの臨床試験および長期コホート研究等で用いられている.しかしながらPTSは,血行動態が複雑で,臨床症状の程度が個々で大きく異なるため,明確な基準を決定しにくい病態である.Villaltaスケール単独でPTSを評価するには限界があるという意見もある.日本静脈学会国際委員会ではVillaltaスケールの日本語訳を作成し,PTS評価の実際を報告する.