Abstract
2019年6月28日に開催された第三回地方学術会議「日本学術会議 in 富山」について、開催に携わった中部地区会議の一員としての視点から報告し考察する。まず、会議の概要と当日の模様をまとめる。次いで、会議開催に至る背景と経緯について記述し、富山における地方学術会議の開催を可能にした中部地区会議側の要因を二点抽出する。すなわち、地区会議の一極集中を避けるための「輪番制」と、中部独自の組織である科学者懇談会との連携である。これらが地方学術会議の開催において果たした役割を指摘する。最後に、地方学術会議の開催という経験を通じて、筆者が得た気づきと今後の展望、すなわち地方学術会議の多様性拡大の必要性と地域における日常的活動の重要性について述べる。