Isolation of Aspergillus flavus strains from field soil by the improved DV-AM method

Abstract
本研究では,つくばの実験圃場中の菌を,改良ジクロルボス-アンモニア(DV-AM)法を用いてスクリーニングし,手法の適用性を検証することを目的とする.DV-AM法は,目視の赤(陽性)白(陰性)判定によるアフラトキシン(AF)産生菌コロニーの検出法であり,培地組成の改良により高感度の検出が可能となっている.7月(立毛の植物体が有る時期)に実験圃場土壌を採取し,本法によるスクリーニングを行った結果,20地点から採取した土壌のうち3点から計4株の陽性株が分離された.この4株についてTLCおよびHPLCを用いてAF産生性を分析したところ,4株すべてでAF産生が確認できた.そのうちの2株について,カルモジュリン遺伝子領域の配列解析および顕微鏡観察を行ったところ,どちらもAspergillus flavusとして同定されたが,培地上に形成されたコロニーの形態学的特徴が違ったほかAF産生能にも差が有り,異なる系統であると考えられた.以上より,改良DV-AM法はAF産生型のA. flavusの分離への適用性が確認され,また,同一圃場において系統の異なるA. flavusが存在しうることが示された.