A Case of Type A Aortic Dissection That Developed Ischemic Cardiomyopathy due to Coronary Malperfusion

Abstract
症例は57歳男性.2週間以上持続した心不全症状を認め,経胸壁心臓超音波検査で左室のびまん性壁運動低下を認めた.うっ血性心不全の診断で内科的治療を開始したが,第5病日に施行した造影CT検査で大動脈基部から両側内腸骨動脈までに及ぶ偽腔開存型の大動脈解離を認めたため手術となった.術中所見から解離は亜急性期から慢性期のものと推察され,大動脈基部に及ぶ解離により左冠動脈血流が制限されて虚血性心筋症を発症し心不全を呈したと考えられた.合併症なく術後28日目に独歩退院した.大動脈解離に起因する冠血流障害によって虚血性心筋症を発症し,診断に難渋した1例について報告する.