Abstract
部分右心バイパス術であるGlenn手術と,完全右心バイパス術であるFontan手術は,ともに比較的太い血管を吻合するという単純な手術ではあるが,術後に体静脈圧の上昇という特殊な血行動態をもたらす術式であり,手術手技のちょっとした違いが術後の血行動態に大きな影響を与えうる術式でもある.本稿では,右心バイパス術が辿ってきた術式の変遷の経緯を振り返りつつ,現状での適応,治療方針,術式について基本的な理解を深めることを目的とし,とくに若手外科医が本術式を新たに行う際に心に留めておいてほしい手技的なポイントについても概説した.