A Case of Chronic Contained Rupture of Infrarenal Abdominal Aortic Aneurysm.

Abstract
症例は53歳, 男性. 1994年5月ごろより腰痛が出現し, 原因不明のまま近医で経過観察されていた. 同年7月中旬ごろより疼痛は増強し, 精査加療目的で当科紹介入院となった. 腹部CT, MRI検査では腹部大動脈瘤およびその背側の後腹膜腔に血腫が広がり, L3, L4椎体の破壊がみられた. 血圧低下や進行する貧血もなく全身状態は極めて安定していた. 椎体破壊は短期間に生じていたが, 血腫の圧迫によると思われる典型的な画像所見を呈しており, 腹部大動脈瘤の chronic contained rupture と診断した. 手術は瘤壁を切開したところ大動脈後壁に約2cm大の破裂孔があり, 後腹膜腔に血塊が充満し, その背側に破壊された椎体がみられた. 腎動脈分岐下大動脈をY型人工血管にて置換した. 術後経過は良好で, 腰痛も消失した.