Calf growth and reproductive performance of cows in the farm practicing the year-round grazing system for cows with their calves in the northern Tohoku region

Abstract
寒冷地の周年親子放牧における子牛の発育と親牛の繁殖成績を明らかにするため,北東北地域で黒毛和種の周年親子放牧を実践しているK農場において調査を行った.計24頭の子牛について2年間にわたり毎月体重測定を行った.親牛の繁殖成績については繁殖記録を閲覧し解析した.放牧地はケンタッキーブルーグラス優占草地であった.子牛への補助飼料として夏季はグラスサイレージと濃厚飼料,冬季はさらにコーンサイレージを給与していた.9ヵ月齢までの子牛の平均日増体量は,雄で1.07kg/日,雌で0.94kg/日であった.冬期(12月~2月)生まれの子牛に限ると,雄で1.13kg/日,雌で0.93kg/日であり,いずれも冬期以外の出生子牛と有意な差はなかった.親牛の分娩間隔の平均値,中央値はそれぞれ410日,384日であった.北東北地域の周年親子放牧における子牛の発育成績は良好で,親牛の分娩間隔についても全国平均より劣ることはなかった.